みすずの詩碑

みすずは、26歳で自ら命を絶つまでに512編の童謡を残しています。詩碑は、生誕地の仙崎や嫁ぎ先の下関(市役所の傍と唐戸市場)にも建立されています。
丘の上で
 あたまの上には青い空
 足の下には青い草
 おとぎばなしの絵でみたは
 きれいなきれいな王女さま
 けれども黄金のかんむりは
 青い空よりちいさいし
 
 きれいな黄金のあのくつも
 青い草よりかたいだろ
 
 あたまの上には青い空
 足の下には青い草
 
 丘に立ってるわたしこそ
 もっとりっぱなおひめさま
* みすず公園にて
私と小鳥とすずと
 私が両手をひろげても
 お空はちっとも飛べないが
 飛べる小鳥は私のように
 地面を速くは走れない

 私がからだをゆすっても
 きれいな音は出ないけど
 あの鳴る鈴は私のように
 たくさんな唄は知らないよ

 鈴と、小鳥と、それから私
 みんなちがってみんないい
* みすず公園入り口にて
日の光
 おてんと様のお使いが
 揃って空をたちました。
 みちで出逢ったみなみ風、
 (何しに、どこへ。)とききました
 
 一人は答えていいました。
 (この「明るさ」を地に撒くの、
  みんながお仕事できるよう。)

 一人はさもさも嬉しそう。
 (私はお花を咲かせるの、
 世界を楽しくするために。)

 一人はやさしく、おとなしく
 (私は清いたましいの、
  のぼる反り橋かけるのよ。)

 残った一人はさみしそう。
 (私は「影」をつくるため
  やっぱり一しょにまいります。)
* 下関の唐戸市場にて

 お花が散って    実が熟れて
 その実が落ちて  葉が落ちて
 それから芽が出て 花が咲く
 そうして何べん   まわったら
 この木は御用が  すむかしら。

*下関の「秋田商会」の
   みすずコーナーにて