しびきせ祭  2016/12/15

 旧豊前の3奇祭のひとつとされている隠蓑のしびきせ祭りを見てきた。地名「隠蓑」について冊子を100円で配布していたので入手した。それによると「企救郡誌で隠蓑(かくれみの)」謂れについて次のように説明している。
「この村、名書に見えず。福相寺山(丸ケ口城山とも云う)西北の谷間なり。土俗の伝えに昔平家の大将、安徳天皇を守護し、此の村に忍び給いしに、里人、常人ならざる事を知りて、蓑を敷て隠し奉りしに仍て隠蓑村と云う。今、此の村人の土俗、産土神(うぶすながみ)を祭るに村人集まりて、祭主、或は村役の人等は藁をかぶらせ覆いて蒸すを例(しきたり)とす。天皇を藁にて隠せし余波なりとぞ。
しびきせ祭りは、安徳天皇御陵の前で祝詞をあげ、「しび着せ祭り」の会場に神主、親に抱かれた安徳天皇と見立てた幼児、祭りに参列した学童の順に入場し、「しび着せ」の祭事が執り行われる。今もされているのかどうかは分らないが、餅を憑いたり、祭り料理をつくったり、お土産として「餅で作った御クツガタ、ハシ、御ヨウシ゜、網代、安徳天皇を模した新米で作った人形の形のムスピ」をお客に持ち帰らせるとか準備が大変だったらしい。
祭りは、13時から14時までの一時間程度、見せ場のしび着せは、祭場に子供たちが入場してから30分程度で終わる。
観客はほとんどがカメラマンといったところで数十名であった。、今年は雨模様で特別少なかったようである。運良く、しび着せの始まる前まで降っていた雨が児童たちが到着する直前に上がった。雨が降るとテントの下で行うとのことであった。今回は、雨が上がったので直前にテントを移動した。
驚いたのは、来客全員にお結び2個とお茶がふるまわれたことである。早めに食事をしていったので遠慮したが、お構いなしに手渡された。昔のお祭りでは、お土産を持たせたとあったのでその名残りかもしれない。新米のお結びは持ち帰って頂いたたがおいしかった。
 
産土神で宮司が祝詞
 
徳天皇御陵前に横代小学校の生徒も到着
 
女官に抱かれた安徳天皇を藁で隠す仕草
 
同年齢の参列者も参加

横代小学校の学童により祭りの日の藁遊びを披露
 
藁遊びが終わって学校に帰る学童。お土産は蜜柑一個ずつ。