2007-10-11タイトル: | 棟梁 | |
投稿者: | 管理者 | 00036_ |
本文 | 最近、宮大工の玉子がNHKで取り上げられた。人吉の工業高校である。斑鳩にも宮大工を育てる工房がある。 そこで最近読んだ本からのヒント。 宮大工は、まず木を知らなければならない。木の種類、育った場所、木の部位で性質が変わる。水に強い、引っ張りに強い、圧縮に強い。縦に割れやすいとか、節が少なく斧による加工がしやすいとか、乾燥のさせ方や乾燥の程度などによっても建物のどこにその木が活かせるかが変わる。 古い建物の再や修理の場合は、今の建物がどのように作られたものであるかをしっかり調査する。釘一本の位置で建物の作りが見えたりする。何度かの修復工事で、原型をとどめていない場合もある。残された文献も貴重な資料である。 次に、工事に携わる大工の取り纏めである。数値化できた部分は、各人が図面どおりに仕上げていけばよいのだが、木は年数が経つと変形する。垂木は瓦の重みの影響を受ける。そういった変形の読みは、なかなか図面に著されない。システム開発も将来の変化を見込んで必要なことは取り込まねばならない。 更に、棟梁による大工の束ねが重要になる。棟梁に必要とされる知識や人を束ねる術は、システム開発のリーダーに求められる資質とよく似たところがある。また、大工の人数が多い大規模な工事になると、棟梁の意を汲んで一緒にリードしていく副棟梁のサポートも欠かせない存在となる。人の意が汲めるということは、その人と同じくらいの力量がなければできないことなので、優秀な副棟梁の存在が欠かせない。システム開発のサブリーダと同じような位置づけになる。 参考図書 「木のいのち木のこころ(天・地・人)」「宮大工千年の知恵」 「宮大工千年の手と技」 「斑鳩の匠 宮大工三代」 など 上記本より名言を紹介 「塔組みは木組み、木組みは木のくせ組み、木のくせ組むには人を組め、人を組むには、人の心組み」 |