30歳半ばにしてようやく娘が結婚した。嫁ぐというより結婚したというほうがしっくりする良縁に恵まれた。結婚式は、博多の著名な神社で厳かに執り行った。それに続く披露宴は二人の長い付き合いのあった友人や職場の方中心ということで本当に和やかなものだった。
なんとか親族も仲間に入れてもらって、親たちの兄弟も久しぶりにお互いの元気な姿を喜び合うことができた。
思えば、出会いの伏線は娘が20台も後半に近づいた頃、それまでしていた仕事と180度方向転換をした福祉関連の仕事に鞍替えしたことから始まる。まず、受験資格を取るためにわざわざ通信制の大学に入りなおした。働きながら2年かけて卒業して受験資格を得た。一度の受験で国家資格は取ったが、それから仕事を探して、ようやく自分の希望にあった世界に辿りついた。大変な遠回りであった。そういった経緯があったので、親としては結婚はしないだろうとあきらめの境地に達していた。ところが、こういった一見無駄な歩みにうれしい出会いが待っていたのだから、人生わからない。その間、親ができたことはだだ見守ってやるだけであった。これからも多分その域は出ないと思う。
結婚したからには二人で協力し合って豊かな人生を築いて欲しいと心から願っている。
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